<IT画文集~私の醍醐味~> 兼松秀明 1/4 (画面をクリックすれば、続くページが現れます)/(2019年度・画文集の作者リストはこちらから)
JR奈良駅で万葉まほろば線に乗り換え、20分あまりで巻向駅に着く。小さな駅舎の東西に広がるのが纏向遺跡である。3世紀半ばごろにつくられた古い遺跡とされる。平成21年(2009)秋、大型建物の柱跡が60個余り発掘され、初期ヤマト王権発祥の地や邪馬台国の候補地として脚光を浴びた。周囲は南北約1.5km、東西約2kmで畑や学校、住宅の点在するひなびた地域である。邪馬台国の所在地については江戸時代から諸説あり、新井白石は畿内説、本居宣長は九州説を主張した。明治になって東洋史学者内藤湖南(京都帝大)は畿内説、白鳥庫吉(東京帝大)が九州説を唱え、今日に至るまで論争が続いている。その畿内説の有力は論拠となっているのが、ここ纏向遺跡である。 |