畿内中央部古墳群(百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録を祝して)
新聞に、「サカイ(堺)の宝がセカイ(世界)の宝になったと大いに市民が喜んだ」とゴロ合わせの記事があった。令和元年(2019)7月6日、大阪府の百舌鳥古墳群(堺市)・古市古墳群(羽曳野市・藤井寺市)がユネスコ世界遺産に登録された。これらは、下図に示すように畿内中央部にあって3世紀中頃から5世紀末にかけて築かれたわが国最大の古墳群である。いにしえの大和に君臨した歴代の大王は、大和盆地東辺の山ノ辺地域から北の佐紀盾列(さきたたなみ 奈良市西大寺付近)へ、さらに生駒・葛城の山々を西に越えた河内平野へと墳墓の位置を移していく。一方それと呼応するように奈良盆地西南部にあらわれた大型古墳が馬見(まみ 広陵町・河合町一帯)古墳群である。そこには別の強大な勢力が存在していたといわれる。