<IT画文集私の醍醐味> 兼松秀明 付録2/2

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百舌鳥・古市両古墳群について

二つの古墳群は、古墳時代最盛期の4世紀末から5世紀末にかけて、政治の中心の一つであった河内平野に築造された。墳丘長さ486mで世界最大級の墳墓といわれる仁徳天皇陵(大仙 だいせん)古墳や425mで国内2位の応神天皇陵(誉田御廟山 こんだごびょうやま)古墳が代表的なものである。ほかに数10mの円墳や方墳、ホタテ貝形など規模も形の多様な古墳が周辺に存在し、計49基が世界遺産に指定された。被葬者の身分や権力など当時の政治秩序をも象徴するという歴史的な意義のある古墳群である。墳墓は全長200mを基準にすると、両古墳群あわせて11基あるが、世界には10基もない。巨大墳墓がこんなに集まっている地域は、どこにも見あたらないのである。なお、最近の考古学では古墳名を確証のない天皇の陵墓名を用いず、古来から地元に伝承する呼び名を用いることが多い。これは発掘調査による被葬者のデータなど、科学的は決め手を欠くことが大きな理由である。


大仙(仁徳天皇陵)古墳
三段築成の前方後円墳で日本最大、墳丘長386m 前方部幅340m後円径243m高さ35m3重の周濠を持つ


誉田御廟山(応神天皇陵)古墳三段築成の前方後円墳墳丘長425m、前方部幅327m後円部径267m高さ36m2重の周濠を持つ