京都には明治、大正、昭和初期に建てられた近代建築がたくさん残っている。これらの建物の美しさが変わらないのは、外壁に時間が経っても古びないレンガを使っているからではないだろうか。東京遷都により、明治を迎えた時点で、京都には御所を中心に公家屋敷や大名屋敷(藩邸)などの跡地と、上知による旧寺社地などの空き地が大量に出現した。それを埋めるように学校や教会などの文化施設が次々と建てられた。
島津をリタイア後、趣味で水彩画を描いている。今まで風景画として描いたものと、このたび市内のあちこちにある洋館巡りをして描きためた絵から十数点を選び画文集にした。
京都大学人文科学研究所 |
東方文化学院京都研究所として建てられた。所長だった考古学者・濱田耕作の要望によりスパニッシュ様式と呼ばれるデザインが採用された。 スペイン風の鮮やかな白い壁が閑静な北白川の住宅街によく似合う。この建物の設計者の一人武田五一は京都帝大の建築学科創設に関わり、戦前の関西建築界をリードした建築家だ。この建物の実質的な設計者・東畑謙三は武田の弟子(大学院生)。 |
京都府立図書館 |
明治6年に創設された集書院に始まる図書館は同31年に府立図書館として御苑内に開設し、同42年にこの岡崎の地に移転した。 外観は、フランス調の古典主義的様式を基調としている。私はリタイア後、毎月ここを利用している。 |