<IT画文集私の醍醐味> 田代牧彦 1/6

画面をクリックすれば、続くページが現れます)/(2021年度・画文集の作者リストはこちらから)

          

2021.12

田代牧彦


プロローグ
  私は退職後、10数年に亘って国内各地へ旅行をした。その一端は、この会の画文集とその前身である自発会の“私の醍醐味”に数回に亘って投稿したが、思い出の多い未発表の写真が未だ沢山あるので、その中から何枚かを選んでみた.
全般的なこと
  私は幼時より鉄道マニアだったので、当然のことながら鉄道を利用した旅行が圧倒的に多い。車窓から移り行く景色を真剣に、或いはぼうっと眺めるもよし、その土地に関係のある歴史や人物に思いを馳せるのも良し、すれ違う列車や駅構内にたむろする車両に目をやるのも良し、車内の乗客に目をやるのも良し、しゃべるのも良し、兎に角何物にも捕らわれない自由な心持で旅を楽しんだ。紅葉の秋、北国の真っ白な冬を除いた一般的な旅の印象を一言で言えば、


だと思う。日本を空から眺めると、国土のおよそ70%は樹木に覆われていることが実感できる。従って地上を走れば当然緑色が景色の大半を占めることになり、季節や天候、樹木の種類によって様々な色合いを見せる濃い緑、薄い緑の樹海は、私の心を落ち着かせ、爽やかな気分にさせる。そのベースの上に、春の桜、初夏の田植え時の水面が美しい田んぼ、秋の紅葉、雪の冬景色、遠近の山々、渓谷、海、川、などが美しい景色に更に彩を添える。日本人が和を以て尊しとせよという聖徳太子の教え以来の心情、神仏習合の宗教心を持って育って来た所以は、まさにこれらの美しい風景にあったと言っても過言ではないと思う。
北海道
  私は、在職中新日鉄(現在の日鉄)室蘭製鉄所へ鉄鋼分析用コンピュータの業務で足繁く出張したが、業務優先の為当然のことながら観光は一切できなかった。そこで退職後北海道観光に憧れて、3回に分けて全道の鉄道乗り歩きを行い、当時のJRの走行区間を隅から隅まで全線踏破した。その後あちこちで廃線が進み、行っておいて本当に良かったと思っている。