2021年秋、定期健康診断を受診。尿倹で血尿が2+で、前年も血尿が見られたので念のため腹部エコーを撮ったところ、5センチ大の膀胱ガンが見つかり、かかりつけ医から近くの総合病院の泌尿器科を紹介された。泌尿器科の膀胱鏡検査で何と「ワカメ」が膀胱内でゆらゆらと揺らいでいた。組織を摘出して病理検査に出すとともにがんの進行度、転移など詳しい状況を調べるためにMRI、胸部レントゲン、造影剤CT、骨シンチなどの検査を順次受診した。すべての検査結果が出た12月3日に治療方針を担当医から伝えられた。膀胱がんは5センチ、内粘膜だけでなく筋層にまで浸潤しており、膀胱近くのリンパ節への転移の疑いがあるものの、肺や骨への転移は見られない。抗がん剤と放射線でがん組織を縮小させた後、膀胱摘出・人口膀胱を付ける治療になると言われた。膀胱摘出は以後の生活に不便を生じるので膀胱温存治療で著名な大阪医科薬科大学(以後大阪医大と省略)へ転院を希望、検査データを添付した紹介状を書いて貰う。大阪医大の年間膀胱癌治療数は下表のとおり日本一である。それに比べ膀胱摘出と言われた近くの総合病院の治療数は大阪医大のおよそ10分の1であった。
12月13日大阪医大受診。添付されたCD画像を見た主任教授から、今後の治療方針の説明を受けた。膀胱がんが大きいので入院して2回に分けてがん組織の切除(TURBT)、その後、放射線照射を受けながら、抗がん剤投与5回/週を1クールとして6クール投与、最後にバルーン塞栓動脈内抗癌剤投与法(BOAI)を実施。治療期間は約1.5~2ヶ月の治療となる。本治療は保険適用外で自己負担となるとの説明を受ける。
BOAI(左図)を簡単に説明すると膀胱につらなる動脈と静脈は他の臓器と関係なく独立しているので動脈の血流をバルーンで止め膀胱を巡る血液に30倍の抗がん剤(シスプラチン)を注入、そのまま静脈に戻すと副作用が大きいので膀胱を巡って帰ってきた静脈血液を透析に用いるヘモダイアフィルターを通して抗がん剤を除去して静脈に戻すという大阪医大独特の治療法。 |