<IT画文集私の醍醐味> 宮本喜久夫 4/4

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 太平洋戦争で父を失い、戦没者遺族である私は昭和54年11月、妙心寺の天球院久下住職のミャンマー方面慰霊団に参加する機会を得た。以後、私は戦没者慰霊活動に関わるようになり現在に至っている。          
 
敬虔な仏教徒の象徴 シュエダゴンパゴダ

ミヤンマー方面慰霊団一行(サガインの丘)
 
3.慰霊の現状 
 私の住んでいる伏見は昭和57年、乃木神社に伏見区戦没者慰霊碑を建立することが出来た。恒久平和を祈願して、当時の林田由紀夫知事に「英霊よ安らかに」と筆下ろししていただいた。時は流れ、高齢化が進み、醍醐から乃木神社まで不便であり、先輩諸氏と相談した結果、醍醐寺の許可で忠魂碑の横に「醍醐英霊鎮魂碑」を平成17年に多額の浄財で建立した。毎年8月6日に会員有志により参拝している。
 
伏見区戦没者慰霊碑(乃木神社)
 
醍醐英霊鎮魂碑(醍醐寺)
 
4.あとがき 
 先の太平洋戦争が終わりを告げて早や78年が過ぎた。この間の歳月を振り返る時、私達は不戦・平和の固い決意の下、一人ひとりが戦場で亡くなった兵士や住民を想い、残された国民は大人から子供に至るまで励まし合って敗戦のどん底から、経済的・精神的困難と闘い今日の生活を築いて来たのである。私は過去数回の海外慰霊巡拝を行った中で、戦没者の実相(真実)を見て来た。その真実とは61年前に見たあの悲惨な沖縄戦とビルマ戦、最後まで悪戦苦闘を繰り返し、死の間際に一杯の水も口にすることなく、無念の涙を呑んで散っていった将兵の断末魔の「真実」を一生涯忘れることが出来ない。就中、戦争を体験した私は再び戦争の惨禍を繰り返すことのないよう心に刻み、戦争の悲惨さ、愚かさ・無意味さを世界に戦争が絶えない中、平和の大切さを世の中に声を大にして訴えたい。